株式譲渡は会社の株式を売買する方法、事業譲渡は対象に定めた事業を譲渡する方法です。譲渡企業、対価の受取先、契約や雇用の扱いが異なります。横浜の中小企業が方式を考える際は、価格だけでなく「引き継ぐもの」と「手元に残るもの」を先に分けます。
以下は株式会社を主に想定した基本整理です。個人事業や株式のない法人に、そのまま株式譲渡を当てはめることはできません。合併・会社分割は別の手続として確認します。
1. 株式譲渡と事業譲渡を比較する
| 比較項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 譲渡対象・譲渡企業 | 株主が保有株式を譲渡する | 会社などの事業主体が対象事業を譲渡する |
| 対価の受取先 | 原則として売却する株主 | 原則として事業を売る会社等。オーナー個人の受取額と区別 |
| 会社・資産負債 | 会社は存続し、保有する資産・負債や過去のリスクを調査 | 対象に含める資産・契約・債務等と残すものを個別に特定 |
| 取引・賃貸借 | 契約当事者が同じでも支配権変更等の条項を確認 | 契約移転や新契約の要否、相手方との手続を確認 |
| 許認可・入札資格 | 法人の継続だけで判断せず変更届や役員・資格者等を確認 | 対象制度ごとに承継・新規・変更の手続と営業開始条件を確認 |
| 雇用 | 雇用主である会社は通常存続。説明・労働条件の扱いを検討 | 労働契約の承継について本人の真意による承諾に向けた説明・協議 |
| 借入・経営者保証 | 借入契約や担保・保証、金融機関への相談を確認 | 引き受ける債務と残債を分け、債権者等との必要手続を確認 |
この表だけで承継できると判断することはできません。税負担、会社法上の手続、契約条項、許認可の要件などを専門家や所管窓口に確認し、実行日までの工程へ落とし込みます。
2. 横浜の会社で先に分けたい契約と拠点
店舗の賃貸借、工場・倉庫、主要取引、協力会社との契約を、法人名義と代表者個人名義に分けます。敷金、保証金、原状回復、設備の所有者も確認してください。駅前店舗や港湾周辺の物流拠点など、立地を維持することが条件なら、貸主や関係先の確認を後回しにしないことが重要です。
建設設備、医療介護、運送・倉庫などは対象制度が異なります。横浜市の公共案件でも入札参加資格と締結済み契約は別に確認し、担当窓口の承継案内を参照します。すべて自動承継、またはすべて新規許可が必要、と一律には説明できません。
3. 売却後に残る負担まで比べる
事業譲渡では売却対象の切り分けに加え、売却後の会社に残る借入、契約、従業員、税務や整理費用を確認します。事業の譲渡額と、最終的にオーナーが受け取る資金は同じとは限りません。株式譲渡でも、会社の過去の未払や保証対応などの調査を省略できません。
価格に加えて、雇用、屋号、引継ぎ期間、代表者保証、取引先説明の条件を比較します。赤字や借入があっても即座に可能・不可能とは決まらず、事業の継続収益、資産負債、買い手の運営体制を整理して検討します。
4. 方式を決める前の確認順序
- 株主・法人・事業の構成と、売却する範囲を図にする
- 守りたい雇用・屋号・勤務地と代表者の引継ぎ範囲を整理する
- 主要契約、許認可、資産、借入・保証を名義別に一覧化する
- 買い手の条件と照らし、所管窓口・金融機関・専門家へ必要手続を確認する
- 説明・同意や契約手続の順序を決め、実行できる日程で条件を詰める
従業員や取引先への説明は、秘密保持と必要手続の両方を踏まえて計画します。候補先へは社名等を伏せた概要から段階的に情報を開示し、詳しい資料はDD前の資料チェック表を使って確認できます。
よくある質問
Q. 株式譲渡なら契約相手への確認は不要ですか。
A. いいえ。支配権変更、保証、更新などの条項や制度上の変更手続を確認します。
Q. 事業譲渡なら従業員も自動的に移りますか。
A. そのようには扱えません。労働契約の承継には本人の真意による承諾に向けた説明・協議等が必要です。具体的な進め方は専門家に確認します。
Q. 代表者保証は契約で買い手に任せれば解除できますか。
A. 買い手との合意だけで当然に解除されるものではありません。金融機関等への確認と、実行時に必要な条件・書類の整理が必要です。
Q. どちらが高く売れますか。
A. 一律には決まりません。税負担、承継できる範囲、残る負担、買い手の運営計画を含めて比較します。
参照した公式案内
制度の適用や手続は、対象事業・法人・契約内容によって異なります。最新の公式案内と個別資料を基に、所管窓口・専門家へ確認してください。
横浜M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額費用・成功報酬をいただきません。税金や登記・許認可、外部専門家費用などは当社手数料と分け、必要な費用と負担者を契約前に確認します。
次に確認すること
会社名を伏せた段階から、横浜の会社売却で整理する準備資料を確認できます。初回から原本や顧客・従業員名簿を送る必要はありません。共有する資料と安全な受渡し方法を先に相談してください。
譲渡企業向けの相談窓口で、守りたい条件と不明点をお知らせください。

